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名前:久住 凛 年齢:33 @mixi @Cell-Net 【管理サイト】 オーダー・コフィン・カンパニー 庶務部 【好きな作家】 あざの耕平 有川浩 小野不由美 米澤穂信 【お勧め記事】 あざの耕平さん@山口大講演レポ 有川浩さん@高知講演会レポ あざの耕平さん関連記事 カテゴリ
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2007年 11月 21日
高知には「児童生徒文学作品朗読コンクール」なるものがありまして、今回はなんとゲストとして、高知出身のライトノベル作家有川浩さんがいらっしゃって講演をされることになりました。
有川さんの作品は、前から気になってはおりつつ実はまだ拝読の機会を得ず、どうしようかなーと思っていたのですが、講演のタイトル「ライトノベルとイージーな読書」にもつられ、またセルネットのメンバーさまもいらっしゃるとのことで、高知のご案内がてら拝聴することにいたしました。 辺境の地のこと、なかなか聞きにこられないファンの方もいらっしゃると思うので、ざっくりとしたレポートをあげておきます。(ただし、私の主観ですので、多少の思い違いがあるかもしれませんがご容赦ください) まず、電撃文庫版の「塩の街」と、単行本版の「塩の街」のパネルが用意された壇上に、有川さんが登場されました。「ライトノベル作家」と名乗られましたが、今回の聴衆は基本的にコンクール参加者の児童、生徒、その家族、引率の教員、そして有川さんのファンだったので、まずは「ライトノベルとはなんぞや」というあたりからお話をされました。 ライトノベルはおおむね「マンガ的な表紙・イラストのついた中高生ぐらいの若い人向けの小説」とされると定義されました。(異論のある方もいらっしゃるでしょうが、おおむねです) マンガは、中身がマンガ、表紙もマンガであるにも関わらず市民権を得、普通の小説も大きな市場があるのに、表紙がマンガ、中身が小説であるライトノベルは、一般文芸の読者からは「マンガみたいな軽い中身のない本」といわれ、また中高生でも読書をしない人からは「オタクみたいな本」と言われがちであるという話があり、電撃文庫版と単行本版の塩の街の両方を示され、「内容はほぼ同じにも関わらず」電撃文庫版はライトノベルで、単行本版は一般文芸の扱いをされると例示されました。 ただ、最近はそのレーベルの間にあるような作品が増えてきており(嚆矢は宮部みゆきさんや恩田陸さんではないかという推測をされていました)電撃文庫から初めて「単行本」という形で出た「空の中」についても、思い切った挑戦ではあったものの大きな手ごたえを得たそうです。(読者はがきのリターン率も比較的高く、また70代から10代という幅広い読者からのお返事をいただいたそうです) また「読書嫌いな子どもが増えている」といわれることについて、「読書感想文の弊害」についてあげておられました。子どもの頃は「読書は楽しむもの、楽しんだ気持ちは自分の中で大事に思い出したい」と思っておられたそうで、読書感想文は「自分が本当に気に入ったところはさておき、大人ウケするような内容をささっと書いた」そうです。(それがまた、予想どおり教師ウケしたという内容に、どうやら学校の先生らしき前列の方が深く頷いておられました) 実際、「赤毛のアン」や「大草原の小さな家」の最大の焦点は「この二人はくっつくのか、くっつかないのか!」であり、本の主題はどうでもよく「ラブコメ」として読んでおられたとのこと。(どうやら図書館戦争シリーズの笠原というキャラも同じような読書のしかたらしいですね?) そして「子どもは自分が読む本を自分で選ぶ」ものなので、大人は本を薦めるのはいいけれども、子どもが読んでいる本を否定したり、押し付けたりしないでほしいとお話されていました。 いつぞ事件になった「監禁王子」が「マリ見て」のアニメ(原作だったかもしれません)を見ていたといって、鬼の首をとったかのように報道していたことがあったそうですが、マリ見てを読むことと、犯罪を犯すことはまったく関係がなく、自分の子どもが同じ本を読んでいるからといって騒ぎ立てる必要はないとおっしゃられました。それよりは「娯楽作品との適度な距離の置き方」を教えるべきではないかとのことです。 またケータイ小説も現在かなり叩かれていますが、それを楽しんで読んでいる世代がいるのだから、それを否定するよりも「こんな本も面白いよ」と幅を広げてあげてほしいそうです。 (ライトノベルについても「またそんなマンガみたいな本読んで!」なんていわないでほしいと…。未来の読者を減らさないで欲しい、それでご飯を食べてますから、とジョークも飛ばしておられました) 最後に、有川さんはこれからもエンターテイメント性の少ない一般文芸の世界に、ライトノベルの精神を持ち込んだ「大人ライトノベル」を書いていきたいということでした。 地元ということもあり、特に子どもの頃のお話では折々に土佐弁も飛び出して、大変なごやかな講演会でした。ちなみに、私の席の二つ隣には、発表した児童の妹であろうちびっ子(推定3歳)が健やかな寝息を立てておりました(笑)。 実際、ライトノベルのレーベルにあるというだけで手に取られない名作は数多いと思います。しかし、セルネットの年齢層を見ていると、10代後半から30代、40代の方まで幅広くいますし、潜在的な「ライトノベル読者」はまだまだいるのではないかと思います。(いや、あざの作品が年齢層高めという説もなきにしもあらずですが。主人公OLだし、オヤジ率高いし) ともあれ、できるだけ多くの方に「楽しい読書」の機会があればいいなあと切に願い、会場を後にしました。 つたないレポートではありますが、参考になりましたら幸いです。
by biblio_mania
| 2007-11-21 21:41
| 読書
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