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名前:久住 凛 年齢:33 @mixi @Cell-Net 【管理サイト】 オーダー・コフィン・カンパニー 庶務部 【好きな作家】 あざの耕平 有川浩 小野不由美 米澤穂信 【お勧め記事】 あざの耕平さん@山口大講演レポ 有川浩さん@高知講演会レポ あざの耕平さん関連記事 カテゴリ
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2007年 12月 03日
2007年12月1日に、山口大学で行われましたあざの耕平さんの講演レポートです。
私の主観や思い違い等もありますので、必ずしも正確なレポートではないかもしれないことをあらかじめお断りしておきます。また、内容には7巻のネタバレを含みますのでご注意ください。 というわけで、セルネットからの参加者はどうやら私一人だった今回のイベント。初めて、あざのさんのイベントに参加する身とあって、ドキドキしながら会場に向かおうとすると…駅前にタクシーがないよ!(呆然) 時間が迫る中、大学まで1キロちょっとを走りつつへたれつつ、なんとか会場に到着。 あざのさんの恩師、平野教授の講演途中から教室に入らせていただき、一番前の席が空いていたので迷わずゲット! 火照る顔を鎮めようと冷えた手を頬にあて、ふと左側を見ると…わぁ、あざのさんがいらっしゃる! ちょっと待って、緊張して余計顔が火照りますよ! ちょっと落ち着いてからちらりと確認するに、とても真剣な表情で恩師の講話を聞いてらっしゃいました。 平野教授の講演終了後、10分の休憩時間をはさみ、あざのさんの講演開始とのこと。その間にレポメモの準備および入口前で販売していたサイン本を2冊接収。参加人数は約40名程度、右後方で若いお嬢さん方が「コタロウが…」などとお話ししているのが聞こえます。 そんな様子をメモっているうちに、「それでは…」と司会の方の声。ふと目を上げると、壇上にはあざのさんの姿が! ダークグレーのスーツに、インにはちょっと深めの色合いの赤いセーター(ベスト?)。あちこちで言われるとおり、大変お若く見えます。若干緊張してらっしゃる様子でしたが、経歴等を紹介されている間に、私と目が合い、にこっと微笑んでくださいました! さ、さすがジェントルあざのです!(ぽわわん) 「腹黒紳士の皮をかぶったオオカミ」だなんてとんでもない!(あ、もしかしてこの笑顔が曲者なのですか?(笑)) そして講演開始。 「ただいまご紹介にあずかりましたあざの耕平です。今日はライトノベル作家のあざの耕平というより、山口大学人文学部卒業のxxxxxxxxxxとして…」 ……さらっとなにか暴露されたような気もしますが、私の心の中に秘めておきます☆ しかし開始1分でこの調子、行く先が恐ろしくなってまいりました(笑)。(ま、まさかキャサリン批判はしないよね?!) AKFのblogにもありましたが、先週から風邪を引いていたため、準備不足のままいらっしゃったそうで、皆さんの反応を見てから話す内容を決めるとおっしゃってたのですが、いくつかの項目で手を挙げてもらうと、どうやら聴講者の層はかなりばらばらだった様子。(BBB読者2割、ライトノベル読者3割くらいでしょうか。だいたいは作家さんが来るからお話を聞いてみようという層だったようです) そこで、とりあえずは、あざのさんの山口大学でのこと、それから作家になるまでの道のりをざっくりお話されました。 ちなみに声はラジオやオーディオコメンタリーと変わりなく。風邪がそんなに酷くなくて安心しました。 ■卒論 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」が卒論のテーマ。他のゼミ生はみんな短編ばかりなのに、一人だけ長編(文庫だと上下2分冊)でみんなから顰蹙だったそうです。 ■ライトノベルのざっくりした定義 ライトノベルを知らない方のために、ライトノベルとは?というお話から。あざのさんは「漫画っぽいイラストのある文庫」という定義をされました。ちょっと前にデスノートの小畑さんが表紙絵を描いた、太宰治の「人間失格」が出てたことにも言及し「あの表紙で知らずに読んだ人は『ライトノベル』ってこんな重たい話もあるんだ!」って思われるんじゃないかな、と。また「それぐらい重たい話もこれから出てきてほしい」と言われました。 ■ライトノベルとの関わり あざのさんが大学生のころは、既にラノベは一般的な存在となっていて、中学生ごろにスレイヤーズがあり、そこから興味を持って、富士見、スニーカー、電撃、ファミ通などいろんなところに手を出されたそうです。大学時代はサークル等には入ってなかったので、日々好きな本を読み、執筆はこっそりしていたそうです。 ■作家志望の方に…参考になるかな? あざのさんは大学生時代に賞に応募して、就職が内定した次の週に2回目に応募した「霧の都の吸血鬼」が最終選考に残りました。大学を卒業して東京で就職することになったので、そこで編集さんに会うことになり、会社員と作家の二足のわらじを続けていましたが、今年の5月をもって専業となりました。 「ライトノベル作家になりたい方は、今はたくさん応募できる賞があるので、そちらにがんがん応募してみてください」ということでした。 さて、実はここで開始15分。「ライトノベル作家への道」を語り終えてしまい、若干あせりを見せるあざのさん。「いきなり質疑応答はまずいですよね?」といいつつ次の話題に移りました。 ■ライトノベルの現状 ライトノベル読者は、ライトノベルの棚をチェックしたら他の棚は見ずにレジに向かう傾向があるようで、最近は、そのライトノベル読者に他のジャンルにも手を出してもらおうという動きがあるようです。(刀語や空の境界の外装ありの装丁本を例に挙げられました) ただ、ライトノベルが有する「エンターテイメント性」や「荒唐無稽さを許容する」要素が、他の一般文芸とつながっていないところがあると感じておられるようです。(このあたりは有川先生が目指す「大人ライトノベル」につながっていく感があります) ここからは質疑応答に移りました。 ■平均化した物語の中をいかに突破させるか 「コミケを意識していましたか?」という質問へのお答え。 学生時代には東京主体のイベントであるコミケはあまり意識していなかったそうですが、今後はどうしても意識せざるを得ないと感じておられるそうです。 最近は、一人の作家の作品がメガヒットすることが少なくなったそうです。含まれる要素が多様化し好みが分散しているせいか、スレイヤーズやオーフェンのような作品の売り上げを上げる作品は今はないとのこと。また、突出したものがなく、平均化された物語をすべて読むのは不可能なので「いかに知られるか」ということが売れるためのブレイクスルーになるそうです。 また、二次創作はもともと作者から離れたところにあったものが、現在は「題材」とそれを広げていく形になってきていると感じておられるようです。 たとえば「初音ミク」や「ニコニコ動画」など、ユーザー同士が楽しむスタイルになりつつあり、誰かが発信したものを受け取るという今までの形ではなく、オープンソース化してきているのではないかということでした。 「自分も、みんなに楽しんでもらって、とりあえず自分は細々でも食べていければ…」と笑っておられました。 ■執筆のために参考にした作品は? 「BBBとDクラについて、執筆のために参考にした作品があれば」という質問に「言ったらネタバレになっちゃいますよね?」とおっしゃられつつ… BBB:吸血鬼のおしごと、トリニティ・ブラッド、ブラックロッドなど、当時人気のあった「吸血鬼物」については一通り読んだそうです。マーケットの動向を見極めつつ、どのような作品にしていくのか決定するためには必須とのこと。 Dクラ:そんなに参考にした作品はなくて、割と自分の思うがままに書かせてもらった作品。今だったらそんな無茶はできないなぁと仰せ。 ■恩師からの鋭い質問 ここで平野教授から鋭い質問が。 平野教授:「BBBはスタンダール(「赤と黒」の作者)の影響があるのかって思ってたんだけど?」 あざのさんは、最初はそんなに意識してなかったとのこと。ただ、ライトノベルはどうしても長編シリーズ化が前提になっているので、読み手の反応を見ながら書くスタイルが主流になっているため、その中で少し意識するようになってきたそうです。 平野教授:「ネット上での反応でも同じものがあったと聞いたが? 実際、当時は赤と黒を読んでいた?」 あざの:「当時はちゃんとは読んでなかったので、反映されてるかどうかというのはどうともいえません。ただ、一度読んだことがある物語や経験は無意識の中に、自分の好みや方向性としてあるものなので…」と。 「何を書くか、というのは、それまでに読んだもの、得たもの、人生経験によって決まります。特にラノベ作家の人は映画、漫画等にも触れてきて必ず影響を受けてきていると思う。同時代の作家さんとは、必ず同じような素地を共有しているはず。つまり、作品を書くための素地が共通しているということで、それが、「今という時代性」を生み出していると思う。ライトノベルを書く上では、その時代性を先読みし、提供していくのが必要なのではないか」 さすが師弟の会話です。 ■作家としてのモチベーション 29歳で大学に入り、数学の研究をされている方から質問。「作家としてのモチベーションはどのようなものがあるのか?」 「最初の頃と、今とではやっぱり変化してきています。最初は、『書きたい、読ませたい、作家の仲間入りがしたい、小説家になりたい」というようなものでしたが、現在は「本屋に一列がーっと自作を並べてやりたい(笑)」とか。そして一番大きなものは「読んでいる人を驚かせたい」ということでした。 他の仕事でも、お金が欲しいとか、自分が誰かの役に立っているというモチベーションがあると思うけど、あざのさんの場合はサービスの提供で、ファンレターなどの感想を読みながら、できるだけ読者のことを考えて書いているそうです。 (というわけで、皆さんもできるだけ、あざのさんに声を届けてあげてください!) ■ライトノベルの魅力を一言、二言で表現するなら? 一度もライトノベルを読んだことない方から「その魅力を一言二言で表現してください」というご質問が。しばらく考えて出された答えは「欲望を満足させる小説」でした。日常という基本的にフラットなものに、ちょっと刺激をプラスできるのがライトノベルではないでしょうか、ということでした。 ■専業になったからといって… 「今年になって専業になったということですが、森鴎外が軍医と作家の二重生活をしたように『変身願望』というようなことはなかったのですか? また、専業になって早く書けるようになりましたか? また専業になったことで、要望にこたえるための「注文のあり地獄」のような状態に陥ったことはありませんか?」というご質問。 まず、一番最初に「専業になって、予想を上回って書けませんでした!編集さんに『専業になって書く量が増えたのは恩田陸さん以外聞いたことがない』と言われましたが、その通りでした!」と力を込めて言われていました(笑)。 注文のあり地獄については、「幸いというか…まだ、人気がありすぎて、引き伸ばしてくれ、というような注文を受けたことがないので…(笑)」とのこと。 変身願望、というか、切り替えを必要とする兼業の生活については「作家というのは、ただその職業だけをしていると、どうしても視野が狭くなってしまうので、作家以外の何かと両立するのはとても大事なことだと思います。また、今まで両立していたものが片方だけになると、空転することがあります。他との接点がなくなっていくので…。物語を作り出す時には周りをシャットアウトして、自分だけの世界で組み上げていく時間も必要ですが、その前段階で、材料となる物事を取り込んでいく時間は絶対に必要です」とおっしゃられました。 そして大学生の方々に「これから就職したときに、会社だけじゃなくて、研究や他のことをするのは無理なことじゃないです。ぜひそういうことにチャレンジしてもらいたいです」とアドバイスされてました。 ■これからのライトノベルはどうなる? 「これからのライトノベルはどうなるとお考えですか?」との質問に、「明るい話題と暗い話題とありますけど、どっちがいいですか?」とお茶目な返答。できれば両方で…というご要望に、 「わかりました。じゃあ、まず明るい話題は…あんまりありません」 …え?(笑) 「暗い話題は…売り上げだけで言えば、昔のほうがずっと多かったです。今、一番売れてるであろうxxのxとか、xxのxxxとかも、スレイヤーズやオーフェンには及ばない現状です。SFも、SFという定義がされてから売り上げが落ちてきました。それは枠が出来たことによる衰退だと思います。今、ライトノベルとは?って定義している時点で、たぶん駄目なんですよ」とのこと。 「たとえば、ケータイ小説が今はやっていますが、それが今の形からどう進化していくのか…定義されるのか、それとも新しい別の形を生み出すのかは分かりませんが…もし、ライトノベル読者が食いつくような「新しいもの」があったら是非教えてください。…書きますから(笑)」だなんておっしゃってました。 ■あ、やっぱり音楽経験者でしたか 「どんな大学生時代でしたか?」という質問に「吹奏楽部で、トランペットとか吹いてました」とのこと。ポリフォニカの描写はこの経験のなせる業だったのかと納得しました。 「特別なことは何一つしていなくて…社会に出てからすごく後悔しました。何もない時間に、何をするかというのはとても大事なことだと思います。社会に出られた方や先生方は納得されると思いますが、大学の4年間ほど恵まれた時間はありません」と後輩たちへの助言。 「唯一、本は読んでいました。好きな本だけでしたけど…作家になろうと思ってじゃなくて、好きな本だから…ということで。ただ、今考えれば、もっと戦略的にできたはずなんです。作家になりたいという夢があるんだったら、書いたものを誰かに読んでもらうとか、書く立場を意識して本を読むとか。他の作家の方に聞いても、作家になると決めてからの受け取り方は全然違ったそうです。やはり作る側と消費者とは違うので…今当時を振り返ると、もっと野心がないと駄目だったなぁと思います。特に山口大の風土はのんびりしている傾向にありますが、東京とかの大学だと2年の時に就職決めてたりとか、全然違うんですよ。他の人が何をしているのか、知ることが大事だと思います」と、さすが社会人な発言。 ■きゃ、キャサリンの悪口なんて言ってないよ!? 「本を作るうえでの編集さんとのやりとりを教えてください」というご質問。わ、キャサリン嬢のお話でるかな? ☆書き始める前 編集部との方向性の共通認識を持つための話し合い。作家の意志、編集部の意向をすり合わせる作業。 ☆書き始めてから 本を出して評判を見て、また展開を考えるというルーチンワーク的作業。 BBBについてはシリーズも長くなってきたため、大きな節目での話し合いとのこと。あとは「締め切りはxxです」とか「締め切りはxxです」とか「締め切りはxxです」とかっていう連絡で…と(笑)。 そして、なにかオフレコ発言があった気がします……あ、そうそう。あざのさんの担当さんについては、今までとても恵まれてきました、というお話でした。よかったですね、キャサリン嬢☆彡 ■恩師の鋭すぎる質問。 「BBBは…ずばり、もうすぐ終わりですか?」というあまりに鋭いご質問。さすが平野教授、俺たちに出来ないことを平然とやってのける! そこにシビれる、憧れるぅッ!って定番のジョジョネタはさておいて。 あざのさん:「今は、どうやって綺麗に終わらせるか…ということを考えています。来年は…次回作の仕込みが大きな仕事になるかな…と」 平野教授:「自分の中で終わりは見えてますか?」 あざのさん:「決着については、最初からいくつか考えているものがありました。幸い、そこから大きくはずれた展開にはなっていません。ただ、現在、具体的なものは何一つできていない状態です。プロットも、書いてみないと分からないものなので…」 平野教授:「書き手としては、楽しんで書いていますか?」 あざのさん:「書き終わった瞬間はもう最高です! ただ書いてる途中とかは…やっぱりきついこともありますね。特に最近一番きつかったのは7巻で…書いても書いても終わらないという。あ、でも良いシーンもあって、ゼルマンが死んだところを書き上げたのが明け方で、思わずガッツポーズしちゃったんですが、『ああ、いやいや、まだ終わってない終わってない」なんて(笑)。書く作業に集中している、という楽しさはありますが。まぁ、作品にひとつは書いてて楽しいシーンがないと辛いですね」 平野教授:「書きながら、一番最初の読者になっているような感覚ですか?」 あざのさん:「それはあるかもしれません。ちゃんと自分が思っている書きたいものが書けて、それを自分でも読みながら楽しめる時には、そう思います」 やはり、師弟の会話ですねぇ。 ■次の新刊いつですか? 「次の新刊はいつですか?!」というご質問に、「来年2月にBBBの短編集が出ます。実は…えーと昨日(11/30)の朝9時まで、この短編集に掲載する書き下ろしの短編を書いてまして…ほら、風邪引いてて遅くなっちゃったものですから(汗)。 で、慌てて列車乗ったんですけども…実は、大学での講演ってことで、ちゃんとスーツでびしっと決めようと思って、スーツは忘れずに持ってきたんですけど、靴は忘れてきちゃいました」とのこと。場所によっては靴が見えたみたいなんですけど、ちょうどメモ書いてたこともあって、私は見逃しちゃいました、残念。 ■よかった…最初の挨拶を普通にしてて… 「ところでBBB読者って何名ぐらいいらっしゃいます?」とあざのさんからご質問。もちろん私も手を上げ、ちらーっと後ろを覗いてみたところ、たぶん10名ちょっとぐらい? 「あー、良かったです…普通の挨拶にしてて。本当は最初に『Are you Known?』って言おうかと思ってたんですよ」 …ごめん、それ聞きたかったです(笑)。確かにシチュ的にはそうですもんねぇ。 ■今後のメディアミックスは? 「原作は読んだことがなくて、アニメのほうは見たんですけど、今後もアニメ化などは視野に入れておられますか?」のご質問。 「今後も、考えてはいます。ただ、自分ひとりでどうにかなる話ではないですけども。アニメで儲かるかといえば、必ずしもそうではないのですが、ひとつの話の活用法として、いろんな切り口で効率よく利用するというのはアリだと思います。儲けないといけませんしねー(笑)」 「ただ、アニメや小説、それぞれにベストな話というのがあって、アニメ化を最初から考えているならば、30分で区切りやすい短編集を用意するべきだと思います。でも、それを選択すると長編を書くという楽しみはなくなってしまいますし…まぁ、運に恵まれれば、またやりたいと思っています」とのことでした。 ■それ、聞いちゃっていいの? 「他にもなにか聞いてみたいことないですか? たとえば富士ミスは今後どうなっちゃうのー?とか」 ……い、いいんですか?!その発言は!? でも、うっかり吹いたのは私一人だったみたい。 ■イラストの重要性 あまりライトノベルを読んだことがない方から「イラストがやっぱり目に付くと思いますが、執筆段階でキャラ設定の像がきっちり出来上がっているのか、それとも編集さんとのやり取りできまるのか?」というご質問。 基本的には編集さんがイラストレータさんを決めるとのことで、その結果、思っていたのと違う絵が出来上がってくることもあるそうです。 そしてBBBの時の裏話を。 「BBBの時は、オーフェン以後、草河さんが他社のお仕事をされている状態があり、富士見編集部のほうが『ドラマガにどうしても草河さんの絵が欲しい』という要望があったようです。で、これからの企画を集めて草河さんに持っていき、どれか書いてください!というお願いをしたそうで。その中でBBBだけ実はプロットがなかったんですけど、なぜか気に入ってもらって選んでいただきました。編集部では『草河遊也杯』と呼ばれていたらしいです」 また、小説とイラストの関係については、お互いのファン層が少しずれているほうが、ファン層に幅が出て良いと考えられているようです。なるほど、と納得。 ■字野耕平 「あざの耕平というペンネームの由来を教えてください」との質問。実は久住がさせていただきました。 デビュー時には「字野耕平」だったのですが、本を出してみたらあちこちで「宇野(うの)」と間違われ、それで漢字を開いて「あざの耕平」となさったそうです。 漢字のもともとの由来は「文字の野原を平らに耕す」とのこと。密かに想像していた通りでした。 すると、平野教授がひとこと。 「君が『字野耕平に決めました』って来たとき、「宇野って間違われるよ!」って言ったの覚えてる?」 「あ、はい、覚えてます…先に相談すべきでした」と苦笑するあざのさん。 そろそろ時間が…ということで最後にメッセージはありますか?といわれたあざのさん…何を言うかと思いきや。 「読んでない人、ぜひ買ってください!」 そしてすかさず司会の森野准教授も「ちょうどあざのさんもおっしゃられましたが、入り口であざのさんの本を販売していますので…」とアナウンス。ちょうど良いオチが着いたところでめでたく閉会となりました。 この講演会に参加するに当たり、山口大学の方には大変お世話になりました。厚くお礼申し上げます。 そして、あざのさん、大変お疲れ様でした! お時間のない中、サインまで書いていただきありがとうございました。大事にしますね! (ツリーはどうぞ可愛がってやってください。不遇鍋の会場に持参すると、より不遇感が増してよろしいかと存じます(酷)) 以上、うまくまとめられずに長文となりましたが、雰囲気だけでも味わっていただければ幸いです。
by biblio_mania
| 2007-12-03 18:06
| あざの耕平
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